まこちきんのブログ

日々私たちが過ごしてる日常というのは実は奇跡の連続なのかも知れない

読んでみました【ビジネスパーソンのための文楽のすゝめ】

働き盛りのビジネスパーソンにおすすめ!
江戸時代の名作から学ぶ、ここぞの処世術
時代を変えた、レジェンド作家たちの偉業
明日から使える!東京とお大阪の接待店
竹本織太夫が影響を受けた6つの人生哲学

日本の伝統芸能である人形浄瑠璃文楽。その文楽太夫(義太夫節を語る人)である竹本織太夫さんが、敬遠されがちな人形浄瑠璃の世界が、実は現代のビジネスパーソンにとって厳しい現実社会を生き抜いていくための処世術を提案してくれていると解説しています。

伝統芸能が現代のビジネスシーンに役立つなんて興味ありますねー(^^)

 

 

 

◉名作から学ぶ、ここぞの処世術

ビジネスで大事なことは今も昔も変わらない...ということで、人形浄瑠璃文楽の名作と言われるものから現代のビジネスシーンに役立つ学びを紹介していますよー!

 

①妹背山婦女庭訓*1からは、対立する家に生まれた男女の悲恋を描き、東洋の『ロミオとジュリエット』とも言われる第三段目「妹山背山の段」を紹介してますよ。

 

一見ビジネスと関係なさそうな悲恋物語の内容とそこに込められたビジネス上で役立つ処世術を丁寧に解説してくれていますね。


 この「妹山背山の段」では、対立する両家がその上司たる蘇我入鹿から無理難題を押し付けられ翻弄される中、最終的にはその両家の子息と娘はお互いのことを恋い慕いつつ相手を想いながら自ら死を受け入れていくのですよ。

 

ちょっとした思い違い、勘違いからの悲劇でもあるため、著者は、『情報は、しっかり検証せよ』というメッセージを送っていますよー。 

え?なんでパワハラ上司のせいで亡くなることになっちゃうの?と思ったあなた!
そーですよねー、ちょっと理解に苦しみますよねぇ。


でも、この現代の僕たちには理不尽としか思えない世界が人形浄瑠璃文楽の世界だったりするんですよー! ハイ、じきに慣れてきますからねー、ご安心を(笑)

 

 ストーリー的に複雑な妹背山婦女庭訓ですが、その語り部たる太夫であるからこそのビジネスに役立つヒントなのではないでしょうか。とても感銘を受けましたよ

 

仮名手本忠臣蔵*2


年末になると赤穂浪士の討入りの場面が有名な播州赤穂浪士の物語ですよね。

文楽での忠臣蔵は史実をベースにはしているけど、主眼をちょっと別のところに置いているんですよね。 

 

なぜ、殿中で刃傷沙汰にまで発展してしまったのか? 知りたいでしょ?


 ハイ、その答えは、”オフィスラブもほどほどに〜”です!(笑) 


複雑な人間関係で物語が展開していく人形浄瑠璃文楽なのですが、早い話、赤穂の仕事熱心な青年武士がタイミング悪く恋人とイチャイチャしてる間に、遂行すべき任務をうっかり疎かにしてしまい、結果お殿様が切腹する羽目になってしまうという物語。

 

『えぇーい!職場に恋愛を持ち込むなーー!』でありますよー。


 そうは頭でわかっていても気持ちはどうにも燃え上がってしまうのが若い男女でもありますよね(笑)

 

恋愛に夢中になると、壮大なプロジェクトが台無しに」というのが仮名手本忠臣蔵からのメッセージではないでしょうか〜

 

もう僕はそんなに若くないからこんなオフィスラブなんかでしくじり先生にはならんわぁ...と思ってますけど、そもそもそんな恋愛ができるのん?というツッコミはナシで〜!

 

そのほか、国性爺合戦、菅原伝授手習鑑、義経千本桜など人形浄瑠璃文楽で度々上演される名作を筆者ならではの感性でビジネス上のヒントを伝えてくれてますよー

◉企業の創業者、経営者へのインタビュー

企業のトップに人形浄瑠璃文楽を鑑賞する方が多いので、そのトップの方々にインタビューをしていますー


ライフネット生命保険株式会社創業者 岩瀬大輔さん


アメリカ人教授に『あらゆる舞台芸術の中で文楽が一番素晴らしい。日本の宝なのに日本人の君が観ていないのはおかしい。』と言われたのが文楽を鑑賞するようになったキッカケなんですって。

 

今では、コアなファンを新たに育ててしまうほどの文楽通になってしまったとのこと。

 

『年齢を重ねるほどに面白さが増していく』とおっしゃってます。全く同感ですわぁ😄

 

 

スターバックスコーヒージャパン株式会社CEO 水口貴文さん


初めての文楽体験がこの本の著者である竹本織太夫さんの【摂州合邦辻】。

 

オペラ鑑賞以上の衝撃だったと明かしていますよー。

 

『語っているのは太夫さん一人なのに、なぜこんなに迫ってくるのか』と。

 

人形が喜怒哀楽の表情を出すことにも感動したと語っていらっしゃいますね。

 

文楽に登場するいわゆるダメ男たちから多くを学び、一人のリーダーが組織を引っ張っていくには限界があり、フォローしていく人たちとの協働が組織にとって大切であるとも語っておられます。


 人形浄瑠璃文楽って、本当ダメダメなくず男が多数出てきますよー、しかも主役級。

 

 

小泉進次郎さんは自民党、落語党、文楽党でしたー


言葉を大切にする政治家の小泉進次郎さんは、言葉のプロの芸に興味があり元々落語が好きだったが、文楽は難しいがわからなくてもいいと話してますよー。

 

人形浄瑠璃文楽の時代設定がまず現代ではないし、言葉も江戸時代の大坂の言葉。

本当にあのような言葉で話してたのだろうかと疑問に思うんですけど、理解するには慣れも必要。

 

『怒られるかもしれないけど、文楽を鑑賞してる時も、ぼや〜っと他のことを考えていることがある』と冗談とも本音とも取れるご発言もありました〜(笑)


 これはホント実感としてわかりますね。

僕はぼや〜っと他のことを考えるより先に、グーグー鼻ちょうちん😪で寝ちゃってるくらいですからねー、舞台で演じてる技芸員の方々には申し訳ないといつも独り反省会です〜💦


 太夫さんのあの義太夫節がなんとも心地良いので、耳で聴きながら考え事する小泉進次郎さんの言葉には妙に納得しちゃいましたよ。

◉六代目竹本織太夫がインスピレーションを受けた六つの生き方と、そこからビジネスパーソンが学べること

著者の竹本織太夫さんが、歴史上の人物や日本のコピーライター、漫画家の方など、いろいろな方面の著名人から学び、太夫として成長していく糧としてきたエピソードが盛りだくさん!

 

中には、正直、『誰?』なんて方もいらっしゃいましたが(ホントごめんなさい🙇💦)

 

ところがドッコイですよ! いざ読まさせていただくと、『なるほどなぁ!』と感心することも実に多かったですねー。

 

ご登場する方々〜糸井重里さん、みうらじゅんさん、鴨長明白隠禅師、バカボンのパパなどです〜 いずれの方も個性的で魅力溢れる方々ですよね〜

 

今度はこの方々の著作なり名言なりを詳しく知っていきたなぁ...なんて思いましたよ

 

 

人形浄瑠璃文楽の基礎知識

伝統芸能ということもあってなかなかとっつきにくい人形浄瑠璃文楽ですよね。

でも、ご安心を😁!

 

全くの初心者から作者の名前や題名ぐらいしかわからない方達にも、竹本織太夫さんが優しく丁寧に解説してくれていますよ。 織太夫さん!ありがとう。

  • 基礎知識をクイックチャージ① 文楽は天ぷらうどんである
  • 基礎知識をクイックチャージ② 文楽はおはぎである
  • 仕事は文楽を観て盗め! いい上司 わるい上司
  • きみは文楽のサードウェーブを知っているか(近松門左衛門、並木千柳、近松半二)
  • ここぞで使える、文楽トリビア〜ン
  • 観劇に役立つ 武士の歴史
◉最後に

今回はビジネスパーソンのための文楽のすゝめ】の読後感想でした〜

 

著者の竹本織太夫さんは、人形浄瑠璃文楽におけるサラブレッド的な存在なので、今後のご活躍が益々楽しみなのですね。

 

あとがきでも書いてらっしゃいますが、仕事上でたとえミスしちゃったとしても、自分に自信が持てないとしても、安心してください!と。

 

人形浄瑠璃文楽には落ちこぼれ扱いされる人がたくさん出てきます。

そんな彼らが主人公の物語でもあるんですねー

 

なので、うまくいかなくて下を向いてしまうようなときには、

いえ、そんな気分の時にこそ、文楽を観て前を向いて逞しく生きて行きたいなぁ...と思いますねぇ〜

 

ビジネスパーソンのあなたも そうでないあなたも、一度この本を手に取って人形浄瑠璃文楽の世界に浸ってみては如何でしょうか?

 

 

...ここまで読んでくださって どーもありがとうございました〜😄

 

 

 

 

 

 

 

*1:いもせやまおんなていきん。大化の改新を題材にした近松半二作の傑作

*2:かなでほんちゅうしんぐら。人形浄瑠璃三大傑作のひとつ。赤穂浪士の敵討ちを題材にした時代物